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Microsoft広告のAPIが更新、企業リスト取得やレポート列の追加など(2026年9月)

Microsoft広告のAPI(外部ツールと連携する窓口)の2026年9月更新をやさしく解説。企業リスト関連の追加やレポート列の追加など、ツール連携や自動化に関わる人に向けた内容です。

本記事は2026年9月29日付のMicrosoft公式発表にもとづく、2026年10月1日時点の情報です。仕様は変更されることがあるため、実際の運用前に公式ヘルプの最新情報をご確認ください。

この記事のポイント

  • Microsoft広告のAPIに、企業リストの詳細を取得する操作などが新しく加わりました。
  • アセットのレポートに、アセットグループIDと広告IDの列が追加されました。
  • 通貨にルーマニアの通貨(RON)が加わり、SDKはバージョン13.0.30になりました。
  • 管理画面だけで運用している場合、直接の操作変更は公式に記載されていません。

何が変わったのか

Microsoft広告が公開しているAPIのリリースノート(2026年9月分)に、複数の追加が載りました。SDKの公開日として示されている日付は2026年9月29日です。

キャンペーンを管理するAPI(Campaign Management API)では、新しい操作として「GetCompanyListDetails」と「GetKeywordsByAssetGroupId」が加わりました。前者は企業リストの詳細を取得する操作、後者はアセットグループIDを指定してキーワードを取得する操作です。あわせて、既存のキーワード取得・更新・削除の操作でもアセットグループIDを指定できるようになりました。キャンペーンの条件を表す種類に「JobTitle」(職種名)も追加されています。

レポートを取得するAPI(Reporting API)では、アセットパフォーマンスレポートに「AssetGroupId」と「AdId」の列が加わりました。検索語句とランディングページのレポートにも「HeadlineSource」という列が追加されています。

顧客情報を扱うAPI(Customer Management API)では、通貨コードにRON(ルーマニアの通貨)が追加されました。

一括編集の仕組み(Bulk Service)では、企業リストと企業項目の記録タイプが新設されました。ダウンロードできる対象にも、企業リスト、企業項目、広告グループのURLターゲット、広告グループとAIプロンプトの関連付けが加わっています。SDKはバージョン13.0.30が、.NET、Java、Python、PHP REST向けに公開されました。

対象の国や地域、アカウントの条件は、公式ページでは明記されていません。

そもそもAPIとSDKとは

APIとは、管理画面を開かなくても、別のツールやプログラムからMicrosoft広告のデータを読み書きするための窓口です。レポートの自動集計や、大量の設定変更を一度に行うツールは、この窓口を通して動いています。

SDKは、そのAPIをプログラムから使いやすくするための部品集です。今回のバージョン13.0.30は、この部品集が新しい機能に対応した版といえます。

アセットグループは、広告に使う画像や見出し文などの素材(アセット)をひとまとめにした単位です。アセットパフォーマンスレポートは、その素材ごとの成果を見るためのレポートです。

企業リストは、名称から考えると特定の企業を並べたリストのことだと思われます。ただ、公式のリリースノートには用途の詳しい説明がなく、広告の配信にどう使うかまでは書かれていません。

広告運用の現場にどう影響するか

管理画面だけで運用している方には、今回の発表で操作が変わるという記載はありません。影響を受けるのは、自社や代理店がAPI連携のツール、社内システム、自動レポートを使っている場合です。

アセットパフォーマンスレポートに広告IDとアセットグループIDの列が加わると、素材の成果を広告単位やグループ単位で突き合わせやすくなる可能性があります。ただし、公式にはこの列の使い道までは書かれていません。

企業リストに関する追加は、API、一括編集、ダウンロード対象の3か所にまたがっています。今後、企業リストを使った運用を外部ツールから扱えるようになっていく可能性があります。これは追加内容からの推測で、公式が今後の見通しを示しているわけではありません。

通貨コードのRON追加は、ルーマニアの通貨で広告費を管理するアカウントに関わる変更と考えられます。日本国内のアカウントでは、直接関係する場面は多くないと思われます。

いま確認しておきたいこと

まず、自社の広告でAPI連携のツールを使っているかを、代理店や社内の担当者に確認しておくと安心です。使っていなければ、今回の内容は読み流して問題ありません。

使っている場合は、そのツールがSDKを利用しているか、利用しているなら現在のバージョンはいくつかを聞いてみてください。13.0.30への更新が必要かどうかは、ツールの開発元や担当者の判断になります。

自動レポートを受け取っている場合は、アセットパフォーマンスレポートの出力項目に、広告IDやアセットグループIDを足す必要があるかを相談してみてください。

通貨にRONを使うアカウントがあるなら、そのアカウントの連携ツールが新しい通貨コードを読み込めるかを確認しておくとよいでしょう。

最後に、公式のリリースノートで自分が使っている操作名を検索し、記載の変更がないかを見ておくことをおすすめします。ページは発表後も更新されているためです。

出典

SDKを13.0.30に上げるかの判断手順

更新するかどうかは、「新しく加わった機能を使う予定があるか」で決めるのが分かりやすいかなと思います。手順にすると次のようになります。

  1. 今のSDKのバージョンを調べる:言語ごとのパッケージ管理で確認できます。Pythonなら pip show bingads、.NETならNuGetの Microsoft.BingAds.SDK、Javaならビルド設定にある com.microsoft.bingads の記載を見ます。
  2. 新しい操作や項目を使う予定があるかを決める:GetCompanyListDetails、GetKeywordsByAssetGroupId、企業リストの一括編集、RON通貨などがこれに当たります。どれも使わないなら、急いで上げる理由は少ないと思います。
  3. 検証用の環境で先に試す:Microsoft広告にはサンドボックス(本番とは別の試験用環境)があります。本番アカウントでいきなり試すより、ここで動かしてから切り替える方が安全です。
  4. 差分は公式のリリースノートだけで判断しない:今回のように1か月分の追加がまとまって載ることがあります。今のバージョンから13.0.30までの間にある変更も、あわせて目を通しておくと安心です。

使う予定がない場合も、次にSDKを上げるときにまとめて対応すれば足りるケースが多いかなと思います。ただし、ツールの開発元が独自にサポート期限を決めていることもあるので、そこは個別に確認が必要です。

レポートや一括編集で起きやすいつまずき

APIの「追加」は既存の機能を壊さないように見えます。それでも、作り方によっては影響が出ることがあります。

  • 列の位置を決め打ちで読んでいる集計:CSVの「左から何列目」で値を取っている仕組みだと、新しい列を出力に入れたとたんに位置がずれる可能性があります。列名で読む作りになっているかを先に見ておくと安全です。
  • アセットグループIDが空の行:アセットグループはP-MAXのような一部のキャンペーンで使う単位です。ほかの種類のキャンペーンでは、この列が空になることも考えられます。空の値で結合処理が止まらないかは確認しておきたいところです。
  • ダウンロード対象を指定している一括ダウンロード:対象を明示している場合、新しく加わった企業リストやURLターゲットは、自分で足さない限り出てこないはずです。「出てこない=データがない」と思い込まないよう注意が必要です。
  • 知らない記録タイプが混ざったときの動き:古い仕組みで一括ファイルを読んでいると、新しい記録タイプの行でエラーになったり、その行を黙って飛ばしたりする可能性があります。どちらの動きになるかは実装次第なので、実際のファイルで試すのが確実です。
  • 通貨コードを一覧で持っている仕組み:社内システムが通貨を決まった一覧で判定していると、RONが「不明な通貨」として弾かれることがあります。

追加された列で素材の分析を細かくする

アセットパフォーマンスレポートにAdIdとAssetGroupIdが入ったことで、同じ素材がどの広告・どのアセットグループで成果を出しているかを分けて見られるようになる可能性があります。

組み立て方としては、まずレポートをアセットID×広告ID(またはアセットグループID)の単位で集計します。次に、一括ダウンロードで取った広告やアセットグループの設定データと、IDで突き合わせます。こうすると、「この見出しは、このアセットグループでは成果が良いが、別のグループでは弱い」といったCRの差が見えやすくなると思います。

判断するときに気をつけたいのは、分ける単位を細かくするほど1行あたりの数字が小さくなることです。表示やクリックが少ない行同士を比べても、たまたまの差である可能性が高いので、ある程度の量がたまるまで判断を待つ方が無難かなと思います。また、新しい列が過去の期間にもさかのぼって入るのかどうかは、公式には書かれていません。過去分と比べる前に、実際のデータで確かめておくのがよさそうです。

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